ワールドコイン(WorldCoin)を一言でいうとAI時代を見越した次世代の仮想通貨
ワールドコイン(WorldCoin)とはChatGPTでおなじみのOpenAIの最高責任者であるサム・アルトマン氏が創業した仮想通貨とその認証プロジェクトです。
ここ数年急速に早まっている人工知能の発達に伴って、将来人間とAIの区別がつかなくなる未来に備えて人間を人間と確実に認証でき、人間のみがグローバルな経済にアクセスし、その恩恵を受けられるようにするという目的をもって作られました。
このビジョンを聞くと確かにこれから人間とAIの区別がつかなくなるという話は最近のディープフェイクやChatGPTなどの自然な受け答えを見ていれば想像するに難くないので確かに必要そうだし、需要も将来性も十分だと感じるでしょう。
しかし現在問題となっているのはその人間とAIを区別するために使われる技術に関してプライバシーやセキュリティという点です。
この記事ではその懸念される問題とこのワールドコイン(WorldCoin)の将来性に関して詳しく見ていきます。
もっとも懸念されるのはワールドコインに使われる虹彩データをスキャンし収集するという点
ワールドコインで使われる人間を認証するための技術は光彩データのスキャンです。
確かに今までの個人認証をするためのパスワードや顔認証、指紋認証などの技術よりその精度は上がり人間を認証するには確実な技術に思えます。
その中でまず問題として挙げられているのは今後この虹彩データという究極のプライバシー情報が政府でない一つの企業の中の情報として集まった場合その企業のリーダーたちが腐敗していたり悪用しようとした場合かなり危険な結果を招くであろうということです。
この個人情報の収集と言う観点からこれまで多くの国で一旦規制が入ったり入念な調査が行われたりしています。その例をいくつか下に挙げておきます。(2024年4月1日時点)
まず知っておくべきは新しい技術の導入は初め慎重に調査するため規制される場合が多いという点
このように次世代の技術を普及させようとした場合、特にプライバシー保護の観点で慎重になり一時的に使用禁止期間を設けて調査を行うということは珍しいことではありません。
例えばChatGPTも同じようなことがありました。2023年にChatGPTが爆発的に普及し始めた時、EUをはじめ中国やロシアなども規制の方針を固め安全に利用できるか確かめるため欧州データ保護議会がCHatGPTに対する専門のチームを結成したほどです。
しかし2024年現在地政学な懸念が理由のロシアや中国などの国を除いてChatGPTを含む生成AIの利用を認めることになっています。
つまり今回紹介しているワールドコイン(WorldCoin)に関しても現在規制されているということは危ない技術だと決めつけるのではなく、新しく革新的な技術であるからこそ入念な調査が行われていると考えるべきでしょう。
ワールドコインは虹彩データを保管しないと明言
2024年2月までは虹彩データを読み取ることのできるオーブ(Orb)という機械で読み取ったとき虹彩データをそのオーブ内に暗号化して保存するかすぐに削除するか選ぶことができたのですが、2024年3月現在は虹彩データの保管はオーブではなく各個人のスマートフォン上のみということになっている。(その機能をパーソナルカストディと呼ぶ)
各個人のスマートフォン上のみで管理されるのであればこの虹彩データという個人情報に関してもその他の個人情報と同じような漏洩リスクはありつつもワールドコインだからプライバシーの侵害が起きるということはないでしょう。
他にもワールドコインのエコシステムの重要な部分であるスキャンソフトウェアであるオーバーソースコードへの一般のアクセスを開放するなどワールドコインは今までのプライバシーやセキュリティへの懸念に対しての透明性を高める施策に関しても積極的なようです。
第三者委員会の調査の結果も白
2024年3月14日、ワールドコインは第三者機関であるITセキュリティ企業のTrail of Bits による監査結果を発表しました。検証内容としてはオーブが個人情報を安全に処理していることち、セキュリティ上の欠陥があるかないかでした。
その結果をまとめると
・サインアップの流れの中で入力される虹彩データ情報に関してオーブ内に情報は収集されず、その永続的なストレージにも保存されず、安全に処理されている。
・その他虹彩データ以外の情報もオーブのSSD上で暗号化されている。
・オーブがユーザーの携帯電話から収集する情報はQRコードのみでありその他の情報を引き出すことはない。
・その他ソースコードの検証の結果Trail of Bitsは、「ワールドコインのプロジェクト目標に関連して直接悪用できるようなコードの脆弱性は発見されなかった」と結論を出している。
ワールドコインの価格推移を確認してみる
ワールドコインの2024年4月現在は1150円近辺を推移している。
ここ最近短期的な下降傾向が見られるのはイーロン・マスク氏が2024年2月29日にOpenAIとサム・アルトマン氏に対して提訴を行ったことによります。
提訴の内容としてはOpenAIの「人類に利益をもたらす」方法で汎用人工知能に取り組むという契約が破られたということです。
具体的にはChatGPT-4がマイクロソフトの製品としてリリースされたことに対して苦言を呈しているようです。
しかしボストン大学法科大学院のブライアン・クイン教授は、マスク氏が契約関連書類の一部として、「一方的な議論」がなされているようにみえる電子メールを挙げていると指摘。もしマスク氏がこの電子メールのみで「契約」だと主張し続けるならば、根拠が薄いと意見しています。
ワールドコインは創業者がサム・アルトマンであることによってChatGPTの開発元であるOpenAI社と密接に結びついておりOpenAIの動向と強い相関関係があると言えます。
よってこの下落が長期にわたるものではなく、ワールドコインの透明性、安全性が保障されるにしたがってユーザー数が増え価格は今後も上昇していくと考えられます。
資金調達の実績などから考えても他の新興仮想通貨とは別格
ワールドコインは創業から度々大きな資金調達を行っています。
2023年5月には160億円など、ここまで巨額の資金調達ができたのはOpenAI社の成功もあるでしょう。
その技術力、今までの実績と革新的な技術からくる期待は他のどの新興仮想通貨供別物だと言えます。
まとめ
ワールドコインの将来性に関してワールドコインの革新的な技術とこれまでの流れを詳しく見てきました。
ワールドコインは世界的なベーシックインカムの導入も目指しており、個人の価値や平等性を認め、基本的な生活水準を保障するというビジョンを持つWorldcoinは、来るべきAI時代に備え、人々に自由や平等な機会を提供することを目標としていて、現在虹彩データを入力時と毎月ワールドコイントークンを受け取ることができます。
技術も思想も次世代のワールドコインはこれからも度々安全性や透明性に関して懸念の声もあがるでしょうが、それは裏返すとそれだけ革新的なものであるという証拠であり、今のところ調査の結果重大な欠陥は見つからないということなのでワールドコインの将来性としては明るいと言えるでしょう。